代表取締役前田 一彦から皆様へのメッセージ
日常目にする窓のガラスや自動車用ガラス、さらにはディスプレイデバイスに用いられる機能部材など、私たちの生活には快適さを高めるガラスが幅広く用いられています。情報・電子産業の最先端分野でも必要不可欠な部材として活躍するなど、ガラスにはまだまだたくさんの可能性が秘められていますが、ここでは当社の高機能ガラス技術の研究開発についてご紹介します。
社会的課題:暮らしの中の快適さの向上
当社の取り組み:快適さを向上させるガラス技術の研究開発と商品化
社会のニーズにマッチした研究開発

当社のガラス技術の研究開発では、省エネや安全、環境、快適さといった世の中のニーズを拾い上げ、いち早くこうしたニーズに対応する新商品の投入に特化した研究開発を行っています。
分野別の商品としては、自動車ガラスにおいて高耐久撥水ガラス、紫外線遮蔽(UVカット)ガラスや、断熱・遮熱等の省エネガラスの開発など、車内空間のさらなる快適性を追求する研究を行っています。また、ガラス建材においては、近年ますます重要度が高まっている高性能な遮熱断熱複層ガラス、防犯、防音、電磁遮蔽や浴室用防曇鏡など、高度な多機能ガラスから日々の暮らしを快適にするガラス製品まで幅広いニーズに対応した研究も進めています。
近年では、ガラスフリットの研究も行っており、LEDの高出力化に対応したガラスフリットの開発など、電子部品向けガラス材料の研究開発にも注力しています。
機能性ガラス技術の蓄積

通常の板ガラスに機能をつけるには、ガラス表面に特殊な膜を付けるという手法がありますが、そのために当社ではガラスの基礎技術の研究に加え、光学設計技術、膜材料に係わる技術、膜成形技術の研究開発を長年続けております。 1980年代にヘッドアップディスプレイの表示が可能なウィンドシールドを搭載する車が世界で初めて量産化された際にも、当社のこれらの技術が活躍しました。
近年では、紫外線を遮蔽する機能をもつUVカットガラスに対する需要の高まりに応じて、短期間での開発期間で製品化し販売を開始しました。併行して赤外線をカットするガラスがほしいというお客様の要望もあり、赤外線カットガラスの研究開発にも取り組みました。商品化には難しい面もありましたが、原料の最適化や使用の効率化、歩留の改善などの試行錯誤の末、ほぼ同時期にこの開発にも成功しました。
当社の強み
当社では世の中にあるニーズを分析し、これまでに培った技術をミックスさせて短期間で研究開発から商品化させることを強みとしています。現在は板ガラス分野に留まらず、さらに研究開発を幅広く効率的に進められるような仕組みづくりにも取り組んでいます。また、2014年には自動車ガラス事業で欧州・北米にある会社を買収し、欧州から北米、日本とグローバルにニーズを汲み取る体制も確立しつつあります。現在では、海外の技術者との技術交流の機会も増えており、グローバルに通用する商品の研究開発に着手しています。