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クライオエッチング技術対応ガスの販売および開発体制を強化

2025.01.16

  • ニュースリリース

 当社はエッチングガスとして販売している超高純度フッ化水素ガス((純度>99.999%)以下、「HFガス」)を、大手半導体装置メーカーにて近年開発された極低温でエッチングする「クライオエッチング技術」(以下、「クライオ技術」)向けに品質改良し、販売を開始するとともに、クライオ技術向けの次世代エッチングガスの開発体制を強化することといたしました。

 近年、AI(人工知能)の普及等を支える大容量の半導体メモリデバイスの製造技術において、大手半導体装置メーカーにてクライオ技術が開発され、大きな技術革新として注目を集めております。当社は同技術に対応したHFガスを大手装置メーカーに評価用として長期にわたり提供しており、現在すでに国内外の複数のクライオ技術導入予定の大手半導体メーカーへの量産採用が決定しております。また、量産需要が急速に立ち上がる2026年を目標に、当社宇部工場(山口県宇部市)において、HFガスの生産能力を2倍以上(数百トン)に引き上げる増産投資も検討しております。

 当社はHFガスを含むフッ素を含有した半導体向け高純度ガスをフッ酸の原料である蛍石から一貫で製造する技術を有する数少ないメーカーであり、サプライ・チェーン上のリスクを回避・低減できる優位性により各半導体メーカーから高い評価・信頼を得ております。
 今般新たに採用されたHFガスは、これまでエッチング用に販売しているガスの一種でありますが、装置メーカーやデバイスメーカーのニーズに合わせ、精製が困難とされるガス状HFの超高純度化技術を用い品質改良を重ねることにより、クライオ技術への対応を実現しました。現時点で、クライオ技術による高いエッチング性能(加工精度・加工速度)を効果的に引き出せるガスであると評価されております。
 また、これまでエッチングには炭素とフッ素を含むCF系のガスが一般的に使われおり、地球温暖化係数(以下、GWP)の高さが近年、環境課題とされていますが、HFガスはGWPゼロ、PFASフリーであり、環境負荷を大幅に低減することも可能となります。

 クライオ技術は、将来、メモリデバイス向けだけでなくすべての半導体にも応用されうる技術と期待されており、当社ではクライオ技術向けの次世代ガスの開発を加速させるため、昨年より大手半導体装置メーカーとの共同開発に着手しております。併せて、当社機能化学研究所(山口県宇部市)に、クライオエッチング用の評価装置を導入し、極低温下でのエッチング評価を自社内でスピーディに行うことができる開発環境も整備しております。

 当社は今後も、強みである安定したフッ素化技術による半導体向け特殊ガスの提供と、技術トレンドや顧客ニーズに対応した新たな開発・提案を推進し、半導体業界の技術革新に貢献するとともに、サステナブルな社会の実現を目指してまいります。

当社機能化学研究所
クライオエッチング評価装置

本件に関するお問い合わせ先

セントラル硝子株式会社 
電子材料営業部 
TEL:03-3259-7226